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  • kujira-takahama

魚料理の大定番!煮魚のコツ、っていうお話

Updated: Jun 25, 2023

約一万年前の縄文人も好物だった煮魚!

世界中でもいろんな煮魚料理が食べられてるで!


まいどおおきに。大阪の中央卸売市場で仲卸をやってる高浜康子です。

ゴールデンウィークが終わっちゃいましたね。

何年ぶりかに遠出したり、ちょっと贅沢してええもん食べたり、いろいろ楽しんだ人も多かったんちゃいます?

私は会社のことばっかり考えてたかな〜新商品とかね。

仲卸の仕入れって、直接産地に行っていろいろ見たりすることもあるけど、基本的には荷受(大卸)っていわれる、仲卸のさらに上の大きな卸会社さんからの紹介(ときには押しつけとかね(汗))がほとんどかな~

いつも取引の担当者から「これ扱ってもらえませんかね〜」とか「こんなんあるんですけどどうですか?」とか紹介があるんです。

「そんな要らんわ」っていうもんもあるけど「まあ、付き合いやしな〜」と仕入れるもんもあります。

他にも仲卸同士で紹介してもらったり、いいもんがあったら取り扱ったりします。

なので、ゴールデンウィーク前(っていうても市場はそこまで長期休みにはならないんですが)に紹介のあった新商品なんかを、休みの日に調理したり、食べてみたりしてました。

あとは、休みと言ってもお客さんから「これください」と言われれば、冷凍庫に保管してるもんなら出しに行ったりしてたので、あんまりゆっくりできませんでしたけどね(汗)。


そんな中で、私の贅沢は、やっぱり美味しいもん食べることかな。

旅行でも一番の楽しみは食事。

その土地土地の食材や調理法とか知りたいし、お魚が好きやからどんな魚がどんな料理で出てくるか勉強になることも多いし。

旅先で食べた料理をヒントに、家でひと工夫することもありますよ。

このブログを読んでくれる人にも、ちょっとしたヒントにしてもらえればいいなと思って、ネタを探してます(休みの間もブログのネタ探してたな(笑い))。


今回は、煮魚の歴史や作り方のコツ、世界の煮魚料理などのお話。

煮魚って焼き魚とかよりひと手間かかるし、難しそうって思ってる人もいるかも。

でも基本やコツを押さえれば美味しく作れるし、味のバリエーションもいろいろつけられるんですよ。ちょっと読んでみたって~。




 

【目次】



 

煮魚はなんと縄文時代から食べられていた!


日本人が煮魚を食べるようになったのはいつ頃からやと思います?

なんと縄文時代からやねんて!

青森県の遺跡から、約1万5000年以上前の無文土器(模様のない土器)が出土。

縄文人は、狩猟や漁労、木の実の採集などで手に入れた食料を、貯蔵したり煮て食べたりするために土器を使ってたそうです。

福井県若狭町の鳥浜貝塚では、出土した縄文土器片を分析したところ、その約8割から魚介類の脂が検出されたんだとか。

このことから、少なくとも9千年にわたり土器が魚介類を煮るために用いられていたと考えられるんやって。

この貝塚ではシカやイノシシを食べた跡も見つかったそうやけど、動物の肉は土器ではあまり調理されてなかったみたい。

縄文人も煮魚を食べてたなんて、なんか親近感わくわねぇ。


日本人の食生活に魚が大きな割合を占めるようになったのは、飛鳥時代の675年に発布された肉食禁止令の影響が大きいんやて。


中世になり、台所道具が進化して鉄製の鍋や釜が普及したことに伴って、鎌倉時代以降の記録には魚や野菜を味噌で煮た料理の献立が多く見られるそうです。


<写真>photoAC 「八王子市 椚田遺跡公園の縄文土器のレプリカ」



<参考サイト>


・国立国会図書館 レファレンス事例詳細


・縄文人は煮魚好き? 土器片ほとんどに脂、福井


・「加熱」「調理」を便利にしてきた鍋の発明と歴史



 

煮魚に向いている魚は白と青の2タイプ!


煮魚を作るのに、どんな魚が向いてるのでしょうか?

大きく分けると白身魚と青魚が向いてるようです。


白身魚は、クセがなくてさっぱりとした味わいなので、調味料で味付けをしやすいんやって。

キンメダイ、カレイ、ヒラメ、タイ、サワラ、メバルなど。



青魚は魚の風味を感じやすいそう。ショウガなどで臭みを上手に消すことがコツ。

サバ、アジ、ブリ、イワシ、サンマなど。



逆に向いてない魚ってどんなのか調べてみたけど、定説らしきものは見つけられへんかったわ。

やってみたら意外とどんな魚でもいけるかも。



<参考サイト>


・煮魚の種類と簡単に作れるオリジナルレシピ3選!コツの黄金比とは?


・【魚料理】煮付けにしたら美味しい魚5選!【ランキング】


・魚の煮付けの黄金比レシピを教えます! 魚の種類によって調味料を変えるべし



 

煮魚の美味しい作り方のコツ


美味しい煮魚を作るための、基本的なコツを紹介しますね。

ちょっとしたポイントを抑えるだけで、煮魚の味が格段上がるで~!


【下ごしらえ】

面倒に感じるかもやけど、丁寧に下ごしらえをすることで仕上がりが確実に違ってくるよ。

ウロコや内臓がある場合は取り除いておきます。

魚の表面に火を通す「霜降り」という下処理を行うと、旨みを凝縮させられますよ。

鍋に湯を沸かして魚を入れ、皮が少しちぢんだら冷水に取り、ペーパータオルで水気を拭きます。


【調味料の黄金比】

煮汁に使う調味料の比率には黄金比って言われてるものがあるみたい。

醤油1:みりん1:砂糖1:酒1.5:水1.5

他にも、酒と水が4だったり、全部同じ比率だったり、砂糖を入れなかったりといろんな比率があるようやから、いろいろ試して自分なりの黄金比を見つけたらええんちゃうかな


【臭みの消し方】

魚を入れるタイミングは煮汁が沸騰してから。

冷たいうちから入れると、臭みが出てしまいます。

青魚の場合は、煮汁にショウガを加えて。

臭みを消そうとして煮すぎるとパサついたり、煮崩れしたりしやすいので、煮る時間は長くても10分くらいなんやって。




<参考サイト>


・煮汁の黄金比は? 失敗しない煮魚の4つのポイント



 

いろんな種類の煮魚、あなたはどれが好き?


一口に「煮魚」と言っても、実はいろんな種類があるよね。

2022年のあるインターネット調査を見たら、煮魚の人気ランキングで1位は「カレイの煮付け」で、2位「キンメダイの煮付け」、3位「サバの味噌煮」、4位「赤魚の煮付け」、5位「カラスガレイの煮付け」なんやって。

煮付けが圧倒的やけど、6位以下には「イワシの梅煮」「サバのミゾレ煮」「サバの生姜煮」「イワシの甘露煮」なんてのも入ってます。

言われてみたら、確かに佃煮も「煮」の文字が入ってるし、煮物なのね〜

煮魚にどんな種類があるか、調べてみたから紹介するわね。


【煮付け】

魚がかぶるくらいの煮汁で煮たもの。

煮汁は酒、みりん、砂糖、醤油。落としぶたをして煮る。


【味噌煮】

煮付けの、醬油の代わりに味噌を用いる。

サバやイワシなど、クセの強い魚に合う。


【生姜煮】

ショウガの風味を活かした煮魚。


【梅煮】

梅干しを加えて魚を煮ることにより、さっぱりとしてコクのある味わいになる。


【甘露煮】

みりんや砂糖を多く使って、照りを出して甘く煮る。

ワカサギやフナなど、淡水の小魚に合う。


<写真>photoAC 「鯉の甘露煮」


【佃煮】

醤油やみりん、砂糖を使って、濃い味付けで煮たもの。

イカナゴなどの小魚が合う。


【煮びたし】

アユなどをまるごと食べるため、たっぷりの煮汁で煮て中心部まで味を含ませる。


【みぞれ煮】

魚に小麦粉をまぶし両面に焼き色を付けてから、煮汁に入れて煮込み、仕上げに大根おろしを入れて煮立たせる。


<写真>Adobe Stock「鯖のみぞれ煮」


【揚げ煮】

一度揚げた魚をさっと煮る。

揚げることでクセがやわらいだり、コクが増したりする。


【大和煮】

煮魚の料理方法とは違うけど、高浜商店にとったら鯨肉の大和煮もおすすめですよ!

大和煮とは獣肉の調理法方らしいねんけど、砂糖、醤油や生姜などの香辛料で濃く味付けをした煮物のことなんやて。



<高浜商店の商品紹介>


鯨肉大和煮缶詰



<参考サイト>


・煮魚の人気ランキング!みんなが好きな種類や食べ方は?


・煮魚の種類!おすすめ料理!それぞれの種類の料理に合う魚とたべ方紹介


・Wikipedia 煮魚







世界中で愛されてる!各国の煮魚料理


魚を美味しく煮て食べてるのは、日本人だけやないで~!

世界の煮魚料理を調べてみました。

魚介だしの旨みたっぷりのスープ系、鍋料理などバラエティ豊か。

どれもいっぺん食べてみたいわ~!


【アクアパッツァ(イタリア)】

イタリア南部・ナポリ地方の郷土料理。

魚介類をオリーブオイルで炒めて旨みを引き出し、水、トマト、白ワインなどで煮込みます。

漁師たちが売れ残りの魚を使って船上で作ったのが由来とされているそうです。




【ブイヤベース(フランス)】

フランスの家庭料理。

タイやタラなどの白身魚、エビ、カニ、貝などを、オリーブオイルとニンニクで炒め、水とワインを加えてトマトとサフランで煮込んでつくるそうです。

こちらも、地中海に面したプロヴァンス地方の漁師たちが商品価値のない魚を煮て食べたのが発祥やなんやって。




【サルスエラ(スペイン)】

スペイン東北部カタルーニャ地方の郷土料理。

大西洋の新鮮な魚介類をたっぷり使ってトマトで煮込み、サフランを入れて仕上げるそうです。


【カルディラーダ(ポルトガル)】

素焼きの土鍋か寸胴鍋に、ジャガイモやタマネギ、トマトなどの野菜と魚、塩やハーブを交互に重ね、オリーブオイルとワインを注いで火にかけます。


【ムケッカ(ブラジル)】

ブラジルの家庭料理。

魚介や野菜がたっぷり入った、トマトベースの具だくさんスープだそうです。




【アグチム(韓国)】

慶尚南道(キョンサンナムド)の馬山(マサン)の郷土料理。

アンコウを食べやすい大きさにカットし、豆もやしと一緒にコチュジャンベースの辛い調味料で蒸し煮にしたピリ辛料理だそうです。


【鯰魚鍋(中国)】

輪切りにしたナマズと、野菜や平たい麺などを、甜面醤や老抽(中国のたまり醤油)、八角、パクチー、唐辛子などと鍋で煮込むお料理。

中国全土で食べられているけど、元々は山東省の郷土料理なんやって。


【魚頭炉(シンガポール)】

潮州(中国広東省)系華人料理のひとつ。

白身魚の頭や身を、白菜や豆腐などと一緒に鍋で煮込みます。

真ん中に焼いた炭を入れる鍋の形が特徴的なんだとか。



<参考サイト>


・「アクアパッツァ」とはどんな料理か調理師が解説。基本&簡単レシピも必見!


・サルスエラ


・カルディラーダ ~ポルトガル風ブイヤベース~


・サーモンのムケッカ


・世界の知られざる?魚料理


・アグチム(アンコウの蒸し煮/아구찜) - 韓国料理図鑑





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