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旨みたっぷり!魚介だし、っていうお話

Updated: Jun 25, 2023

カツオ、昆布、煮干し、貝柱などなど、

世界の料理を美味しくしてくれる魚介だし!


まいどおおきに。大阪の中央卸売市場で仲卸をやってる高浜康子です。

私、カレーが大好きでお気に入りでよく行くお店のカレーが魚介系のだしを使ってるんですよ。

そこは、だしだけじゃなく、具材にも魚介を使ってたりするんで、海の味わいたっぷりって感じやねんけど。もちろん、高浜商店からのお魚つこてくれてるんですけどね。

だから余計に美味しい!(笑)


そういえば日本のだしはカツオとか昆布とか、魚介系が多いですよね。

それってなんでなんやろね?

煮物、味噌汁とかの和食はもちろん、ソースやスープとか世界にもいろいろあるし。

海外のだし文化ってどうなってるんやろ?と気になりだして、いろいろ調べてみました。


今回は、日本や世界の魚介だしについて、ていうお話。

ちょっと読んでみたって~。



 

【目次】


・<高浜商店がおすすめするこのお店> カレー専門店 「神戸カレー食堂ラージクマール」さん


 

島国・日本では魚介だしが主流!


日本の食生活になくてはならない“だし”。

その起源はなんと縄文時代にまでさかのぼるねんて。

火を使うようになって、土器でいろんな食材を煮て食べることを覚えたこの時代。

遺跡から見つかってる「貝塚」は、縄文の人々が食べ終わった貝の殻を捨てた跡ってのは子どものころに習った気がする(笑)。

貝をはじめ、様々な食材を煮出した汁が食べ物を美味しくすることに気づいて、だしの概念が生まれたそうです。

奈良時代の書物には、現代のだしの主流であるカツオや昆布のだしについての記述が見られるそう。

鎌倉時代に成立したとされる「厨事類記(ちゅうじるいき)」という書物には「タシ汁」という言葉が見られ、これはコイの身を食べるための液体調味料ではないかと考えられてるんやて。

室町時代後期の「群書類従(ぐんしょるいじゅう)」に収録されている料理書には「出汁」に関する記述が見られ、だしが一般的に浸透してたと分かるそうです。

江戸時代の実用料理書「料理物語」には、だしを使った料理や、昆布とかつお節の合わせだしの記述があるんやて。


日本に魚介系のだしが多い理由はいくつかあると言われてるそうです。

ひとつはやっぱり、周囲を海に囲まれてる島国やから水産資源が豊富やったこと。



もうひとつは、肉食禁止の文化。

奈良時代に仏教が伝来して以来、江戸時代初期まで肉食の習慣がほとんどなくて、米や野菜、魚介などの食材が中心やったから、旨みを補うためだし文化が発展したと考えられるそう。


日本の水質もだし文化の発展に関わってるらしいです。

水には、ミネラル分が多い「硬水」と少ない「軟水」があって、日本の水は「軟水」。

ミネラル分が多いと、イノシン酸やグルタミン酸などのうま味成分が溶け出しにくいうえ、ミネラル分がアミノ酸と結びつき、灰汁がたくさん出てしまうんやって。

日本の水やと、旨みがしっかりと抽出できるため、食材からだしをとりやすいそうやわ。

まさに水に恵まれた日本ならではちゅうことやね。




<参考サイト>


・日本人と『魚介出汁』の深い関係 起源は縄文時代の貝食まで遡る?


・「だし」の誕生と発達


 

だしに地域差あり!カツオと昆布の2大勢力


だしを何からとるかっていうのには地域差があって、関西では昆布が多く、関東では主にかつお節が使われてるのはご存じの通り。

この違いの理由については、2つの説があるらしいわ。


ひとつは、昆布の流通。

室町時代、北海道でとれる昆布が船で京都まで運ばれる、通称「昆布ロード」が確立。

江戸時代には北前船で酒田から下関を通り、大阪を経由して江戸へ向かう西廻り航路ができたおかげで、天下の台所と呼ばれ、比較的裕福な商人の町であった大阪でも、昆布だしが広まったんやって。

京都では公家文化の影響が出ている、上質な昆布のだしを使った京料理も誕生しました。

江戸まで運ばれた昆布は関西で売れ残ったものやったから、関東には昆布だしが根付かんかった、という説があるねんて(汗)。


もうひとつの説は、水質の影響。

関西の水は硬度が低く、昆布だしを引き出すのに適してて、関東の水は関西に比べ硬度が高いので昆布だしが出にくいと言われてるねん。

そこで濃いだしをとるために、関東ではかつお節が多く使われるようになったという説。

水の質と食生活は深い関係があるんやね。



<参考サイト>


・地域ごとで全く違う!?日本各地の出汁文化!








四国や九州では煮干しのだしも一般的!


四国や九州では、煮干しのだしも多く使われてるんですよ。

瀬戸内海地方では、黒潮に乗ってイワシが大量に獲れたから、綿花栽培のための肥料として「干鰯(ほしか)」が用いられるようになったそう。

これが煮干しのルーツと考えられてるんやって。

かつお節や昆布が高級品やったから、その代用品としてだしの材料に使われ、煮干し文化が根付いたみたい。

イワシは鮮度が落ちるのが早くて傷みやすく、上流階級には下賎な魚とされてたこともあってか、関東ではほとんど使われへんかったそうやわ。

関東で煮干しの生産や流通が始まったのは明治時代以降のことやから、いまだに関東では馴染みの薄い食材なんやって。

煮干しは製造過程で一度熱湯で煮ることで、身肉のたんぱく質が凝固し、その後の天日干しの工程で乾燥しやすくなるのと、凝固したたんぱく質が栄養分を逃がさないようにしてくれるんやて。

天日干しで乾かすことにより、微生物の活動が活発になって、うま味成分のイノシン酸の生成が促進されるそうです。

また紫外線に当てることで、骨を作るビタミンDが生成されるんやって。



煮干しだしの取り方は、まず下ごしらえから。

頭と腹わたの部分を取り、大きいものは縦二つ割りにします。

鍋に水1リットルと煮干し30グラムを入れて30分ほど置いたら、弱火にかけ、アクを丁寧にすくいながら6~7分ほど軽く煮出し、ふきんで濾して完成。

もっと簡単にしたければ、水に入れたまま冷蔵庫で数時間以上置いておくだけでも、美味しいだしが取れますよ。




<参考サイト>


・スープ大辞典 煮干


・出汁素材「煮干し」


・煮干しだしの取り方


・煮干しだし(いりこだし)の取り方/作り方



 

魚介だしを味わう世界の料理もいろいろ!


だしについていろいろ調べてたら、「世界三大スープ」っていうのにたどりつきました。

たしかに、スープはだしを味わう料理やもんねえ。

「ブイヤベース」「トムヤムクン」「フカヒレスープ」の3つやけど、「ボルシチ」を加えた4つが挙げられる場合も。

「三大○○」って誰からともなく言われはじめて、微妙に内容が違うこととかよくあるからねえ。

どうせなら日本の味噌汁も入れて「世界五大スープ」にしてくれ、って思うのは私だけやろか(笑)。



その三大スープのうち「ブイヤベース」は、魚介たっぷりのフランスの家庭料理。

地中海に面したプロヴァンス地方の漁師たちが商品価値のない魚を煮て食べたのが発祥やとか。

タイやタラなどの白身魚、エビ、カニ、貝などを、オリーブオイルとニンニクで炒め、水とワインを加えてトマトとサフランで煮込んでつくるそうです。

マルセイユでは1980年に「ブイヤベース憲章」が制定され、具材や作り方などを定めて伝統の味を守ってるんやって。

ちなみに…

「ブイヤベース」の場合は、漢字で表現すると「魚介」なのね。「介」の字はタコやイカ、ナマコやエビ、カニなどの甲殻類も含むまさに水産物全体を指す文字。

「魚貝」とかくと、タコ、イカは含むけれどエビ、カニの甲殻類は含まないんですって〜。

なので、「ブイヤベース」はまさに魚介系の代表的なお料理ってことやね。



「トムヤムクン」は、タイの酸っぱ辛いスープやね。

「トム=煮る」「ヤム=混ぜる」「クン=エビ」という意味なんやて。

旨みたっぷりのエビを主役に玉ねぎやマッシュルームを入れて、パクチー、レモングラス、ナンプラーといったエスニック食材が独特の味わいを生み出してます。



「フカヒレスープ」は世界三大珍味として有名な高級食材・フカヒレの食感が魅力の中華料理やね。

フカヒレからだしが出てるとばっかり思ってたら、それ自体に味はないんやって。

鶏ガラスープに鶏肉やタケノコ、シイタケなどの旨みが合わさっての味やそう。

三大スープ3つとも魚介だしかと思ったらそうじゃなかった、ちょっと残念!

ちなみに「ボルシチ」は、ビーツっていう赤い野菜の優しい甘みをベースに、牛肉や玉ねぎ、にんじん、じゃがいもなどの旨みが溶け込んでる、ウクライナ発祥のスープ。



他にも魚介だしのスープを調べてみたら、「クラムチャウダー」があったわ。

アサリなどの貝と、ベーコン、タマネギ、ニンジンなどの野菜を合わせてミルクで煮込むアメリカの家庭料理やって。

コンソメスープで煮てトマトで仕上げるパターンもあるそう。

貝のだしって美味しいよね~!


高浜商店にご相談いただけたら、だいたい何でも揃うので、魚介系だし、ぜひお試しくださいませ〜



<参考サイト>


・世界三大スープなのに4つある?その理由とは!?


・世界三大スープとは?特徴やおすすめレシピをご紹介!


・世界に見る魚介スープのレシピ


・世界のスープ10選!



 

中華料理でいい味出してる!貝柱のだし


中華料理ではだしのことを「湯(たん)」と言うそうで、材料によって大きく2種類に分けられるらしい。

シイタケや豆モヤシ、野菜といった植物性の食材ベースのだしは「素湯(すぅたん)」。

鶏や豚の骨や肉、干し貝柱や干しアワビ、干しエビを原料とする動物性食材や魚介類のだしは「葷湯(ふんたん)」と呼ばれるそうです。

中国の人たちは食材を干物にすることで、生の状態ではなかった旨みを引き出し、さらに保存性を高めることを経験的に気付いてたんやね。

乾物は水分を抜いて熟成させることで、だしもより濃く出せるみたい。

中国では乾物のことを「乾貨」と言って、保存期間が長ければ長いほど味わい深くなるとされてるそうです。

ちなみに本場中国で使われる干し貝柱の中でも、高級品とされるのは北海道産のホタテの貝柱なんやって!

江戸時代の頃、日本から当時の明や清への貿易品として、干し貝柱や干しアワビ、フカヒレ、干しナマコ、昆布などの乾物が渡って行ってたという歴史もあるみたい。

ホタテの貝柱には、グルタミン酸、コハク酸、イノシン酸、グリシンなど様々なうま味成分が豊富に含まれてるそうです。

干し貝柱でだしをとるには、水につけて一晩置くだけ。

戻したあとの貝柱も、旨みたっぷりの具材として食べられますよ。



<参考サイト>


・和風・洋風・中華「だし」の違い


・世界のだし


・中華料理・中国料理店用語集


・スープ大辞典 干し貝柱


・世界中が愛する貝、帆立



 

日本のカレーに魚介だしの新たな潮流が!


いまや日本の国民食となったカレーにも、魚介だしベースのものがありますよね。

例えばおそば屋さんのカレーうどんって聞いたら、和風のだしがきいてるカレーってイメージありませんか?

さらに最近では、「だしカレー」なるものも各地で食べられるようになってきてるそうです。

スパイスカレーと、カツオや昆布、煮干し、貝柱などの魚介系食材からとっただしを調和させたもので、スリランカカレーがルーツとも言われてます。

スリランカでは、「モルディブフィッシュ」と呼ばれるカツオ節や、煮干しを使ってだしをとる文化があるそう。

なんか親しみがわくわね。

魚だしがきいたカレーは日本でも人気を集め、それがさらに発展して「だしカレー」になったということみたい。

魚のだしって世界共通やね。


<写真>photoAC 「スリランカ ダンブッラ黄金寺院」



<参考サイト>


・大阪発の「出汁カレー」って何? 東京&大阪で食べたい絶品店をご紹介!


・汁とスパイスの絶妙な組み合わせ カツオのスパイスカレー


・人気に火が付いたスリランカカレー 鰹出汁が日本人に合う








高浜商店がおすすめするこのお店


カレー専門店 「神戸カレー食堂ラージクマール」さん




以前、大阪市中央卸売市場本場の近くのイベントブースに間借りして、月一でカレーを出されてた頃からのお付き合い。

そこへ始めて行ったのは、愛犬の散歩中。

散歩コースでふと目に入った(鼻についた)お店で、店主さんこだわりの魚介系だしを使ったカレーが珍しくて初めて食べました。



「なにこれ〜美味しい〜!」って感じだったんですが、なんせその時は月一回の出店やったから、それに合わせて毎月行ってました(笑)。

上でも書いたけど、スリランカカレーって日本のように魚介系のだし(スープ)を使って作るんやね。どうりで優しくて日本人に合うと思ったわ(私の主観やけど)。


「神戸をカレーの町にしたい!」との思いで、神戸元町でお店をされてます。

(時々ですが)高浜商店の魚も使ってもろてます。

お店についての詳しい紹介は「KOBE Journal」さんの方が上手にされてるのでそちらも見てね〜(笑)。



「神戸カレー食堂 ラージクマール」

(営業時間:11:30~15:00 定休日:月曜日)

神戸市中央区下山手通2丁目13−13 RINX BLD 7F


JR神戸線・阪神電車 元町駅から徒歩約6分



<参考サイト>


・KOBE Journal『神戸ダイアリー』「移転オープン!新しくなった名店『ラージクマール』のカレーを食べに行ってきた ~神戸・元町~」



おまけ…

2018年、市場の近くで間借りランチカレーをされていたときに、お店に行ったときの写真です。

タッパー持って、お店行ったわ〜懐かしいな。

元町でお店出されてからも何度か伺わせていただきましたよ。

皆さんもぜひ、応援してくださいね。








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